近年、Googleの指針として、SSLでセキュアな通信環境、さらにはより高速なブラウザへの転送が必須となってきています。
平たく言えば、Googleの自然検索のインデックスで上位を狙うには、高速でセキュアなサーバー環境が必要ということです。

ザナビジョンではこの記事はもとより、今後Webサーバーやその周辺技術に詳しくない方向け(中小企業のWeb担当者や管理者、マーケティング担当者向け)に、実際の場面を想定して、できるだけわかりやすくお話できればと思っています。

たとえば、この記事を読んでいるお客様のなかには、「ちょっとうちのホームページ、表示が遅いな」という方もいらっしゃるかもしれません。
お客様側の通信環境にも左右されますが、最近は、スマートフォンでホームページを閲覧する機会がとても増えています。
ユーザー側の、通信端末(ガラケーやスマートフォン)の環境が大きく変わりました。
一方で、サーバー側の技術も年々進歩していますが、20年前のサーバーを動かしていても、Webページとしては表示されるわけです。
ですから、これからお話する内容は、お客様側では普段は気づかない場面が多いのですが、気づくとしたら、どのブラウザから見てもホームページが遅い、そこから派生をして検索順位が時を追うごとに下がってきてしまっている、もしくは全くGoogleの検索結果にも表示されない、という面で「どうしてかな?」という疑問から、その端緒が発覚してくるという性質のものです。

まず、HTTP/2とは何か。

日本でインターネットが広まり、最初は「HTTP/0.9」という通信規格で、サーバーとブラウザとのやり取りをしてきました。
例えば、A社のホームページをスマホで閲覧するときは、スマホがA社のホームぺージのサーバー(Webサーバー)に、「TOPページを見たいんです」という要求を送ると、Webサーバーはそれに対応するコンテンツ(ホームページの内容)を、スマホ側に返していました。
ただし、1つのリクエスト(要求)に対して、1つのレスポンス(応答)しか返せなかったんです。
そして、スマホは、レスポンスが返ってくるまで待っているのです。

その後、HTTP/1.1にバージョンがあがり、複数のリクエストが同時に送信できるようになったのですが、応答はリクエストをした順番にひとつひとつ返ってくるというものになりました。

現在のWebを取り巻く環境を考えた場合に、ここでひとつ大きな問題が生じます。

昨今は、1つのリクエストだけではなくて、複数のリクエストをしなければ耐えらないほど情報量がとても多いんです。
Javascriptを使用した動きのあるホームページは特にそうです。
そのような場合に、1つ1つレスポンスが返ってくるのを待っていては、スマホ側の表示が遅くなります。

そこで、HTTP/2が登場します。
簡単に説明しますと、同時に並行してリクエストとレスポンスができるようになりました。
これによって、PCもしくはスマホのウェブブラウザとWebサーバー間の通信処理がとてもスムーズに行えるようになりました。
そして原則(実際は少し違いますが)として、このHTTP/2はSSLでの通信(暗号化通信)は必須と思ってください。

これは、一般的なホームページをデザインだけして納品している制作会社さんのなかでも、知らない会社さんもあります。
パッと見ただけではわからないわけです。
さらには、ホームページを所有している会社(お客様)も、気づきにくいんです。

例えは少し大げさかもしれませんが、水道管が腐っていて雑菌が繁殖していても、ぱっと見はきれいな水が出ていれば、使っている人は誰も気づきにくいんです。

多くの場合は、ホームページのサーバーは、サーバー会社からレンタルをしているわけですから、そのサーバーのスペック(仕様)やプランや契約時期によって、HTTP/2にできるのか、できないのかということがあります。

よく、ウェブデザインをするにあたり「SEOに強い制作をします」「検索上位を目指します」という言葉はよく聞きますが、必ずしも、制作側だけではカバーできない部分、つまりサーバー構成の問題が出てくるわけです。

ザナビジョンでは、お客様のご利用環境に合わせたサーバー選定や、必要であれば、お客様の専用サーバーを0から構築・運用までをお任せいただくことも可能です。
ここでは、詳細は省きますが、Webサーバーも、昨今急激にシェアを伸ばしているNginxにするのか、これまでのApacheにするのかも、お客様のご利用環境を見ながら提案させていただきます。

Google社も常時SSLについては対応サイトを重要視していますし、SSL環境下での高速通信にはHTTP/2は必須です。
そもそも、SEOを考えるから手段のひとつとして、このような対応をするのではなく、会社や店舗のWebページを見ていただく「お客様」により快適で安全な環境は何かということを考えると、ごく自然な流れではあります。

SEOという言葉はとても抽象的ですが、目に見えない「技術」が、上位表示を目指すひとつのポンテシャルとなっているということは気に留めておいていただくとよいと思います。